在宅介護 やさしい手

訪問介護におけるヒヤリハット事例

はじめに…

皆様こんにちは

突然ですが、‘‘ヒヤリハット’’という言葉を聞いたことはありますか?
ヒヤリハットとは重大な事故に直結する一歩手前のことを言います。
重大な事故が起きる前には、多くのヒヤリハットが潜んでいると言われています。
介護の現場では、1つの事故がご利用者の命に直結してくるため、重大な事故を起こす前に、小さなヒヤリ(>_<)とした事、ハッ(゜o゜;)としたことを未然に防がなければなりません!

ここでは、訪問介護におけるヒヤリハットの事例を紹介していきたいと思います☆

ヒヤリハット事例1

〇掃除中に床に落ちている薬(錠剤)を発見する
経緯:朝・昼・夕の1日3回服薬介助のサービスがある。
-対応-
12:00
 (HP)昼の掃除のサービス時、テーブルの下に白い錠剤が落ちているのを発見する。

12:05 (HP)ご利用者に確認するもわからず、事務所スタッフに報告する。ご本人の体調確認を行い、必要に応じてバイタル測定を実施する。
12:10 (事務所スタッフ)ケアマネジャーさんと訪問看護に報告する。
原因:服薬介助もしくは自力で服薬する方の口からこぼれ落ちたのを気付かなかったと思われる。
対策:服薬介助するときは、飲み込みまで見守る。また、口の中に薬が残っていないかまで確認する。

※服薬以外にもやることがあって、バタバタする中でのサービスですが、薬を完全に飲み込むまでが服薬介助・確認ですので、そこまでを確実に行う事が大切です。

ヒヤリハット事例2

〇寝返りをした時、ベッドから転落
‐対応‐
寝たきりのご利用者で、ヘルパーはベッド上での排泄介助でサービスに入っている。
ご利用者は側臥位をとった時にベッド柵につかまったり、寝返りをすることができる。
排泄介助終了後、ベッド用グリップのアームを閉じること、足側のベッド柵をするのを忘れてしまい、ご利用者が寝返りをした際に、足が落ちて転落しそうになっているのをご家族が発見する。
‐原因‐
・ご本人が寝返りをした際の、リスクを考えることができなかった。
・退室時に、ご本人の居室が訪問した時と同じ状況になっているかどうかの、環境点検を怠ってしまった。
‐対策‐
・ご本人のADL(身体状況)を頭に入れ、リスクを考えながらサービスを提供する。
・サービス終了し、物品を片すためにベッドを離れる前に、一度居室の環境点検を行い、ベッド柵を元の位置に戻す。記録を書き、退室時に再度、居室の点検を行う。

20分や30分と、決められた時間の中で排泄介助だけでなく、更衣介助やお食事準備と、バタバタするなかで、ついつい確認を忘れてしまう…なんてこともありますね(>_<)
今回の内容のベッド柵に限らず、エアコンのリモコンを元の位置に戻し忘れたり、飲み物を補充し忘れたりと、私たちにとっては些細な事でも、身体が思うように動かないご利用者にとっては大きなことかもしれません。
リモコンを取ろうとして転倒してしまったり、大きな事故に繋がるかもしれませんね…。
そのため、記録を書く前に居室の環境を整えて、退室時にもう、居室の環境を点検する事で、様々なリスクを回避することに繋がります☆

ヒヤリハット事例3

〇食事介助中にむせこまれる
要介護5の寝たきりのご利用者で、お食事の時は車いすへ移乗している。また、食事形態は刻み食で、水分はとろみをつけて介助している。お食事のペースは遅く、介助するのに時間がかかる。
―対応―
食事介助をしている際にむせこまれたため、タッピングして気管に入った食べ物をはきだしてもらい、落ち着かれる。
―考えられる原因―
・食べ物の飲み込みを確認せず、介助者側のペースで介助してしまった。
・水分に充分とろみをつけていなかった。
・こまめに水分補給をしていなかった。
―対策―
・必ず、飲み込みを確認してからスプーンを口に運ぶ。
どのくらいとろみをつける必要があるか、事前に確認をとり、介助者で統一する。
食事の合間にこまめに水分を入れることで、喉を潤し、嚥下をスムーズにする。

※ちょっとの誤嚥で肺炎になったり、窒息してしまうなど、重大事故に繋がってしまいます。
食事のペースは人それぞれですし、限られた時間で食事を召し上がっていただかなければならないので、ついつい焦りがちです(>_<)
水分補給を食事の合間にこまめにいれることで、嚥下もスムーズに行う事ができ、ペースアップにもつながります!
とろみをどれくらいつける必要があるのか、手順を確実に把握することも誤嚥を防止するために大切なことですね☆

ヒヤリハット事例4

〇浴室まで移動中に転倒される
要介護3のパーキンソン病のご利用者の入浴サービスでの出来事。浴室までは歩行器を使って移動している。歩行の時は、ふらつきがみられるため、必ず見守りが必要。
―対応―
浴室までご利用者の歩行の見守り中に、着替えを居室に忘れたことに気づき、ちょっとなら離れて大丈夫と思い着替えを取りに戻った。
その間に転倒してしまった。
事務所のサービス提供責任者に報告し、外傷を確認する。ご本人から痛みの訴えはないかお声掛けする。血圧は異常なし。腰の痛みを訴えたが、外傷はなく、歩行はできた。その後のサービスで経過観察を行った。
―原因―
・入浴前の準備不足。→浴室へ移動する前に持ち物を確認しなかった。
・ご利用者のADLを把握していなかった。→「ちょっとくらいなら大丈夫という気持ち」で、見守りが必要な状態のご利用者から目を離してしまい、転倒につながった。
―対策―
浴室へ移動する前に再度、入浴に必要なものの確認を徹底する。
・もし忘れものに気付いたら、ご利用者を浴室までお連れして、椅子に座り、安全な状態であることを確認してから取りに行く。

※いつも見守ってても、「転倒しないから少しなら目を離しても大丈夫…」という軽い考えが重大な事故に繋がってしまいます。
ご利用者がいつもより体調が良くなかったら…?足の運びが良くなかったら…?
その時の体調によって転倒のリスクは高くなってきます!
その方がなぜ見守りが必要なのか、どのような病気があって、症状はどうなのか頭に入れ、、「こうしたら、もしかしたらこうなるかもしれない…」と予後予測を考えることが大切ですね☆

ヒヤリハット事例5

〇賞味期限切れのものを提供し、腹痛・下痢症状が出る
要介護2の方で、独居。軽度の認知症がある。毎日サービスに入っている。食事の提供で、冷蔵庫内にある惣菜を何品かお皿に盛り、提供している。惣菜は、週に2回近所のスーパーにご本人と一緒に行って買っている。
―対応―
賞味期限が1週間切れている玉子焼きを提供してしまったところ、腹痛・下痢の症状を訴え、入院されてしまった。
―原因―
・冷蔵庫内の環境整備を定期的に行っていなかったため、賞味期限切れの物があった。
・冷蔵庫から惣菜を取り出す前に、賞味期限を確認していなかった。
―対策―
・お食事を提供する際は、賞味期限の近いものから意識して提供するよう心掛ける。
・買い物サービス時、冷蔵庫内の環境を確認する。(=賞味期限が切れている食材がないか確認し、賞味期限の切れているものは、ご本人に確認した上で破棄する。)
・食事を提供しているヘルパーは、必ずお皿に盛りつける前に賞味期限を確認する。

※定期的に冷蔵庫内に何が入っているか確認すること、提供する直前に賞味期限の最終チェックをすることで、2重チェックができます!

食中毒についてのヒヤリハットでした!
自分の家では、賞味期限の1日、2日なら…と思ってしまい、ついつい確認せず食べてしまうかもしれません。
しかしながら、賞味期限の確認を怠ってしまう事で、ご利用者の命に関わってきます。たとえ命に別状がなく、退院できてもADLの低下し、今までの生活を送ることが出来なくなる可能性があります。
ご自宅での生活を支えることができるように、一つ一つの確認を大切に実施していきたいですね(^^)

ヒヤリハット事例6

〇調理のサービスでガスの元栓を閉め忘れる
要介護2で認知症のご利用者で自立歩行をされているが、ふらつきがあり。息子様と同居されているが、昼間は仕事のため、日中独居である。サービスでは火の扱いをご利用者が行う事が危険為、昼ご飯を調理し提供・服薬確認を行っている。一人でガスを使ってしまう危険がある為、サービス終了時には必ずガスの元栓を閉めることとなっている。朝・夜ごはんは息子様が対応している。
―対応―
サービス終了時、ガスの元栓を閉め忘れてしまった。息子様が仕事から帰った時に、ご利用者がコンロを使用していたため発覚。息子様から事務所に連絡がある

―原因―

・コンロを使い終わった時点で元栓を閉めることを忘れてしまった。
・昼食を下膳する際に再度確認を怠ってしまった。
・退室前に部屋の環境チェックを怠ってしまった。
―対策―
・調理が終わった時に元栓を閉め、お皿に盛りつける時、ご利用者に料理を提供する時、下膳する時、退室する時に元栓を確認する。
・連絡ノートの表紙に「退室時に確認することを表記」し、記録を書くときにヘルパーが退室時何をしなければならないのか、再度確認できるように工夫する。

※「えーそんなに確認するのー?!」と思いますが、退室時だけでなく、台所を通る度についでに確認することで何重にも確認できます。
上記のケースでは、ご利用者がコンロを扱っている時に丁度帰ってきたから良かったですが、ヘルパーが退室してすぐに使用してしまったら?と考えると、火の消し忘れで火事につながったり、ご利用者が火傷してしまう危険性もあります。
身体介護ではないからリスクは少ないのか?と考えてしまいがちですが、上記の事例をみるとそうではありませんね!
生活援助のサービスでも重大なリスクが隠れているため、一つひとつ確実にサービスを行っていくことが大切ですね!

ヒヤリハット事例7

爪切りの際に、ご利用者が「痛い!」とおっしゃる
要介護2で女性の糖尿病があり、脳梗塞の既往がある。ご利用者。ご主人と息子様と同居。排泄介助はご家族対応だが、週2回の入浴をヘルパーが対応している。入浴後に爪が延びていたらヘルパーが切っている。
―対応―
入浴介助後、爪が伸びていたため、爪切りを行ったところ、一気に短く切ろうとして、ご利用者が「痛い!」とおっしゃる。指先を確認するも、外傷は見当たらず、その後の痛みの訴えは見られず。
ご在宅だった、ご主人に報告し、謝罪する。
―原因―
伸びている爪を1回で切ろうとしてしまったことで、深爪になってしまった。
―対策―
一気に爪を切ろうとするのではなく、何回かに分けて少しずつ切ることで、爪の形を整えながら、皮膚を過って傷つけてしまう事を防ぎます。


※今回の事例でご紹介したご利用者は、糖尿病ということで、傷ができたら治りづらいし感染症になりやすいことがあります。また、脳梗塞の既往があるとのことで、プラビックスやバイアスピリンなどの血液がかたまりづらくなる薬を服薬していると、出血がなかなか止まらないということがあります。
この方に限らず、高齢者は皮膚も弱くなってきますし、細菌にも弱くなってきます。

「爪を切る」ということは一見単純なことに考えられますが、介護サービスでの爪切りは”身体ケア”として位置づけられています。
少しずつ爪を切ることだけでなく、爪を切る際のリスクを踏まえながら注意して実施することが大切ですね☆

ヒヤリハット事例8

〇ベッドから車いすへの移乗時にずり落ちてしまう
要介護3の方で、息子様と同居しており、近隣に娘様が在住。息子様は平日仕事をされており、帰宅は夜遅い。娘様は昼食と夕食を準備しにくるが、それ以外は1人で過ごされている。歩行困難で、車いすで生活されている。排泄介助はベッド上で行っている。ベッドから車いすへ、車いすからベッドへの移乗は、車いすをベッド横に移動し、アームレストをはねあげてあげれば、見守りのみで移乗可能。腰が痛い時や、風邪を引いている時は力が入らないことがあるため、移乗時注意が必要。

―対応―
サービス時、排泄介助が終わり、ベッドから車いすへの移乗をする際に、腰の痛みを訴えていたが、「ご自分で出来る」とご利用者が言ったため、見守った。ベッドから車いすへ移った際に、車いすに浅く座ってしまい、ヘルパーも支えきれずずり落ちるという形で床に座り込んでしまう。

―原因―
・ベッドに端座位になっている時の姿勢が適切な姿勢か確認不足だった。
・座位の保持の時や移乗する時にすぐに補助できるような立ち位置での‘見守り‘が出来ていなかった。
―対策―
・ベッドから起き上がった際に、座位の保持がご自分でできているか確認する。
何かあったときにすぐに介助できる位置にいる=見守りであることを再度確認する。

※普段はご自分でスムーズにできていることも、風邪を引いていたり、身体のどこかが痛かったりと、その時の身体の状況によりスムーズにできないことが起きてきます。
今回のケースでは「腰が痛い」と訴えがあったため、「いつもより身体に力が入らないかもしれない」と予測がつき、移乗時には注意して対応できますね。
ヘルパーさんはいつもサービスに入っていると、「痛いって言ってるけど、いつもと様子が変わらないから…」と普段と同様に見守ってしまうことがあるかもしれません。
ご利用者のADLはその都度変化します。いつもサービスで会っているからこそ小さな変化に気付くことが出来ると思います。
ご本人の1つ1つの言動に注意しながら、その時の本人のADLにあったケアをしていくことが大切ですね。

ヒヤリハット事例9

〇サービス中にご利用者が体調不良を訴え、ヘルパーがタクシーを呼んで病院へ連れて行ってしまう。
要介護2でパーキンソン病のご利用者。娘様と同居しているが、日中は働いているため、日中独居。昼ごはんの配食弁当の提供・薬のセット・Pトイレ掃除のサービスでヘルパーが入っている。
歩行器を使ってご自分で歩行することが可能。一人での外出は転倒のリスクが高いため、見守りが必要。いつも病院受診は娘様が対応している。

―対応―
サービス時、ご本人が腰の痛みを訴え、「タクシーで一緒に病院までついてきてくれないか。」とご利用者より希望がある。
ヘルパーは対応に迷ったが、サービス終わったあと、時間があるからとタクシーで一緒に病院へ行ってしまう。病院からご利用者と戻ってきたあとに事務所へ報告の連絡がある。

―原因―
・タクシーで病院に一緒に行ってくれないかとの訴えがあった時点で、事務所に確認し指示を仰がず、自分の判断で行動してしまった
・介護保険内で出来る事と出来ない事をヘルパーが理解していなかった。
―対策―
・「何か緊急な事があった時ご本人から判断に迷う依頼をされたとき」は必ず事務所へ連絡し指示を仰ぐという事を再度確認する。
・介護保険のサービスで出来る事と出来ない事を改めて確認する。

※介護保険内で出来る事と出来ない事が細かく定められています。基本的に私たち訪問介護は、ケアマネジャーからのケアプランに基づいてサービスを提供するため、ケアプランにのっていない内容をサービスとして提供する事は出来ません。
必要であれば、サービス提供責任者が訪問して救急搬送をするかどうかの対応をすることや、自費のサービスとして一緒に受診するという選択肢もありますし、緊急性が低ければご家族が来た時に受診するということもあります。
今回のケースでは、娘様がいつも病院へ一緒に行っているとのことで、娘様対応の可能性が高いと考えられます。どのような状態でも、一度事務所に連絡し、指示を仰ぐ必要がありますね。
ご利用者から依頼されて、「あれ?これって介護保険のサービスで出来たっけ…」と少しでも疑問に思ったことや、ご利用者の様子がいつもと違うというときは、事務所へ確認の連絡をしてから対応することで介護保険外のサービスを提供してしまうということも未然に防げますし、様々なリスクを回避することが出来ます。

ヒヤリハット事例10

〇オムツ交換時、皮膚を傷つけてしまう
要介護5で寝たきりの女性のご利用者。独居だが長男様と次男様が交代で泊まりに来ている。毎日1日4回オムツ交換でサービスに入っている。男性は拒否があるため、息子様は対応できず。皮膚が弱く、オムツかぶれや発赤が出来やすい。
―対応―
週に4回サービスに入っているヘルパー。オムツ交換時、臀部をひっかいてしまい、出血してしまう。
息子様がご自宅にいたため、その場で報告し、謝罪する。事務所にもサービス終了時報告する。
―原因―
・サービス始まる前に爪が伸びていないかの身だしなみを確認しなかった。
―対策―
・サービス入る前の身だしなみを徹底して行う。

※爪が伸びているかの事前確認は、”身だしなみ”の一つですね。一日に何件もサービスがあったりして、忙しいとついついその身だしなみの確認を忘れてしまうかもしれません。
高齢者は自分たちよりも皮膚が弱い状態にあります。ということは、少しかすっただけれでも傷ついてしまうということです。
”身だしなみ”が今回のように、ヒヤリハットに繋がってしまうこともあります。
常に初心の気持ちで、”身だしなみ”を整えて入ることでヒヤリハット防止に繋がります。

ヒヤリハット事例11

〇鍵番人の暗証番号がそのままでいつでも開けられる状態となっている。
要介護5で寝たきりの方で、娘様と同居しているが、日中は働いているため、日中独居である。
1日3回排泄介助と食事の配膳でサービスに訪問している。
入室方法は、玄関付近に鍵番人を設置しており、鍵番人から鍵をとって入室している。
―対応―
いつも通り、鍵番人を用いて入室し、戸締りをして退室する。仕事から帰宅した娘様から連絡があり、鍵番人の暗証番号を合わせたままでロックが解除されており、誰でも鍵を取り出せる状態になっていることが発覚した。
―原因―
入室するときに、鍵番人の暗証番号を合わせたまま入室してしまい、退室時に鍵を入れて番号をずらし忘れてしまった。
―対策―
・鍵番人を使用して、暗証番号をそのままにせず、数字をその都度ずらすことで、鍵番人をロックする習慣づけをする。
・退室時、鍵番人の番号を「0」に合わせて終了する。
                               等々…
今回のケースでは娘様が帰宅するまで何もなかったため、大きなことにつながりませんでした。
しかしながら、誰かがヘルパーが訪問している所を目撃しており、入室方法を知っていたら…と考えると、最悪の場合鍵を持ち去られたり、入室の時に暗証番号をそのままにしていたとのことで、他人に暗証番号を知られてしまい、自由に入室できるようになってしまうということにつながります。
‘‘こうすれば完璧に忘れない!’’という確実な方法はありません。
鍵番人のロックを解除し鍵をとり出したらすぐにロックをかける鍵番人のロックをする癖づけがとっても大切になってきますね☆

ヒヤリハット事例12

〇薬カレンダーの薬を取り間違えてしまう。
要介護3の女性で独居のご利用者。日常のことは基本的にご自分でされているが、認知症の1日3回食事の配膳・服薬介助で、週に2回洗濯・掃除でサービスに訪問している。
―対応―
朝食が終わって、薬カレンダーから薬をとった際に、朝食後薬のところから薬をとらないといけないのに、間違って夕食後薬のところから薬をとってしまい服薬させてしまった。
昼のサービスに入ったヘルパーからの報告で発覚する。
―原因―
食事が終わり、服薬する直前で薬カレンダーから薬をとったため、間違った欄からとってないかの複数回の確認ができなかった。
―対策―
食事を配膳した段階で薬も準備しておくことで、服薬する直前で再度、今日は何曜日か確認して、朝食後か夕食後か間違えてないかを薬カレンダーと薬袋を目視で確認して服薬介助をする。

※以前は落薬の事例をご紹介しましたが、今回は薬の取り間違いの事例をご紹介しました!
食事の配膳と服薬介助とのことで、サービス内容としては単純なサービスですが、慣れてしまって無意識に確認が甘くなってしまう事があるかもしれません。薬は一つ間違えると、ご利用者の命に関わってきてしまいます。
朝・昼・夕と薬がそれぞれ違うものを服薬している方が多いです。血糖を下げるくすりや血圧を下げる薬等々、ご利用者の持っている疾患によって様々で、また、朝に重要な薬がまとまって入っていることが多い場合があります。
‘‘これ!’’という対策はありませんが、自分がとった薬があっているかどうか、複数回確認する習慣づけをすること誤薬を未然に防ぐことができます!(ちなみに私は、薬カレンダーから薬をとる際は、食事の配膳の時に何曜日の朝食後薬と指さし確認して薬を取ってから、また薬カレンダーを確認して、服薬する直前にもう一度、薬袋と薬カレンダーを確認してから服薬していただいてます!また、心配性なので、服薬後・退室時も薬カレンダーを確認して、間違った所から取っていないか確認しています!)

ヒヤリハット事例13

〇出血している褥瘡の処置をしてしまう。
要介護5で寝たきりのご利用者。息子様と同居している。週4回デイケアへ行かれており、それ以外は1日ベッドで過ごされている。1日3回(デイケアへ行くときは2回)排泄介助のサービスで訪問している。ご自分で身体を動かすことができないため、体位変換には介助が必要。仙骨部に褥瘡があり、改善したり、悪化したりを繰り返している。現状は悪化しており、出血がみられ、フィルムで保護している。褥瘡の処置は週に1回の訪問看護とデイケアの看護師が対応している。
ヘルパーは出血していたり、傷になっている褥瘡部の洗浄や軟膏の塗布は医療行為となる為対応できない。フィルムがはがれていた場合は排泄物で汚染されないように応急的にパットをあてる。(息子様がご在宅だったらフィルムをはりなおしていただく。)
―対応―
サービスに最近入り始めたヘルパーで今回は2回目の訪問。排泄介助時、フィルムがはがれており、息子様がいなかったため、対応に迷ってしまったが、洗浄して軟膏を塗布してしまう。
事務所への事後報告で発覚する。
―原因―
・フィルムがはがれていて、対応に迷った時点で事務所へ指示を仰がなかった。
・フィルムがはがれていた際の対応方法が手順としてヘルパーに伝わっていなかった。
―対策―
・判断に迷った時は事務所へ連絡する。
・褥瘡ができた際の対応を注意点としてヘルパーに周知しておく。
・介護としてできる事できない事を再度ヘルパーに指導する。

※今回のは、ヘルパーさんが医療行為をしてしまったというケースをご紹介しました☆
褥瘡の状態には様々な段階があって、長時間圧がかかって、発赤程度の状態から、重度になると穴が開いてしまうこともあります。
発赤の状態であれば、私達介護職員も医師・看護師の指示のもと褥瘡の周りを洗浄し軟膏塗布を対応することができますが、出血していた場合は私たちは洗浄したり、軟膏を塗布することができません
医療行為に限らず、私達介護職員は何ができて、何ができないのかを確認してサービスに入る必要があります。
「○○さんは寝たきりだし、褥瘡のリスクが高い」とそれを踏まえて、実際に褥瘡ができた場合、誰から指示を受けて、私たちはどのように対応するのかをサービス提供責任者であれば事前にケアマネジャーや訪問看護に確認する必要がありますし、ヘルパーさんへ注意点として確実に申し送りしておくことが大切ですね。

ヒヤリハット事例14

2重でサービスに入り、2重服薬させてしまう。
要介護1の女性で、独居のご利用者。日常生活全般は自立しており、ご自分で身の回りのことはできる。認知症のため、短期記憶が低下している。服薬は朝のみ行っていて、服薬忘れが頻回にあるため、1日朝1回、服薬促しのサービスで入っている。薬は一包化されているが、日付は書いていない。
―対応―
朝9:00からのサービスで、ヘルパーが通常通り対応する。10:00からまた別のヘルパーが明日と日付を間違えて訪問してしまい、2重で服薬させてしまった。
サービス終了し、記録書と連絡ノートを記載している時に、連絡ノートに9:00からの記録をみて発覚する。※ご利用者は9:00にヘルパーが訪問していることを忘れている。
10:00からサービスに入ったヘルパーは事務所に連絡し、事務所のスタッフは訪問看護に確認し指示を仰ぐ。
幸い、2重服薬をしたことによる体調の変化は見られなかった。
―原因―
・1日の始めにサービススケジュールの確認を怠ってしまった結果、日付を間違えて訪問してしまった。
・訪問し、サービス開始前に連絡ノートを確認しなかった。
―対策―
・1日始めにスケジュールの確認を行うようにする。
・サービスに訪問した際は、開始前に必ず連絡ノートを確認するように癖づける。

※今回はサービスに2回入ってしまい、2重で服薬させしまうというケースでした。
「実際、サービスに入ってたら気付くよー!」っていう内容ですが、毎日バラバラの時間で入っている定期巡回のサービスでは起こる可能性のあるヒヤリハット事例です(>_<)
ヘルパーさんは毎日同じ時間のサービスに入っている人は少なく、その日によってスケジュールが変わってくる人が多いと思います(+_+)
私もシフト制で夜勤がありますので、日付や曜日間隔がなく、よく「今日は木曜日か~!」と間違えてしまうことがあります(>_<;)
また、記録書と併せて連絡ノートを記入しますが、ご家族や訪問看護など、ご利用者に関わっている人への報告だけでなく、次のサービスに入るヘルパーへの申し送りの意味も込められています。
対策としてあげていることは、当たり前のことですが、忙しく、バタバタしてしまうと、ついつい忘れてしまうことかもしれません。
自分が1日どのようなスケジュールとなっているか確認することサービス開始前に連絡ノートを確認するづけをすることが大切ですね(^^)
○使用してはいけない食器を使ってしまう
要介護3で脳梗塞の既往があり、右半身軽度の麻痺がある。ゆっくりであれば、着替えやベッド横のポータブルトイレへ行くことができる。独居だが遠方に住んでいる娘様と息子様が交代で泊まりにくる。娘様と息子様が対応できないときは、1日3回サービスに入っており、ポータブルトイレの掃除と冷蔵庫にあるお惣菜とご飯を選んで配膳している。ご本人に麻痺があるため、重い物が持てない。そのため、食事を提供する際は陶器のお茶碗は使わないようになっており、プラスチックのお椀を使って対応することになっている。
-対応-
陶器のお茶碗にご飯を入れて配膳してしまう。
その後、お茶碗が台所に見当たらないと娘様から連絡があり、探したところ、ベッド下から割れた茶碗が見つかり、サービスに入ったヘルパーに聞き取りを行い使用していたことが発覚する。幸い、ご利用者にケガはなかった。
申し送りとしてご利用者宅の連絡ノートへサービスに入るヘルパーに向けて「陶器のお茶碗は使わないように」と記載があったが、確認していなかったと後にお話がある。
-原因-
・ヘルパーが連絡ノートの確認を怠ってしまった。
・麻痺があるということを考えてお食事を提供することができなかった。
・事業所の申し送り方法の徹底ができていなかった
-対策-
・連絡ノートを確認する癖づけをする。
・他の食器と、ご本人の使う食器を置く場所を分けさせていただく
・事業所はご利用者の申し送り事項の伝達方法を再度確認し、統一する。(電話で申し送りを行うのか…連絡ノートへ記載して申し送りとするのか…)

※今回は生活援助におけるケースを紹介しました☆
今回のようなケースを未然に防ぐには、連絡ノートに連絡事項が追加されていないか確認すること、申し送りの伝達方法を統一することは、他のケースにおいても大切なことですね。
お食事を配膳するサービスですと、ついつい自分の家と同じようにお茶碗とお箸と~…と提供したくなります。
しかしながら、今回のご利用者のように、麻痺があるとお茶碗を持って食べれないし、お茶碗を片方の手で押さえておくこともできないので、落としてしまうリスクが高いですね。
プラスチックのお茶碗であれば割れずに済みますが、陶器のお茶碗であれば割れて、その破片で足をけがしてしまう可能性もありますね。
また、指先の動きが鈍くなっているご利用者に関しては、お箸ではなく、スプーンやフォークの方が食べやすいということもありますね。
サービスに入るご利用者の身体状況を把握した上でサービスに入る事が大切です。

ヒヤリハット事例16

〇サービス中に車椅子を破損させてしまう。
要介護5の女性で、ご主人と同居。1日3回排泄介助と週2回はデイの送迎を行っている。ご主人は高齢のため、排泄介助時に手伝って下さるが、移乗はヘルパーにて全介助で行っている。
-対応-
ヘルパーはいつも通り、デイの送りだしのため、ベッドから車椅子へ全介助にて移乗を行った。車椅子をベッドど平行に寄せた状態で、ベッドの高さを下げてしまったため、ブレーキ部分をベッド下に巻き込んでしまった。すぐにベッドを上げて、車椅子を確認すると、ブレーキはかかったので、そのままデイへ送り出した。ヘルパーは壊れていないと思い、事務所へ報告しなかった。
数日後、福祉用具職員がメンテナンスで車椅子をみて、ブレーキが歪み、利きが悪くなっていることがわかり、ご主人に伺って、デイの送り出しの時に壊れたことが発覚する。
-原因―
〇慣れているサービスだったので、1つ1つの行動を意識せずに行ってしまった。
⇒車椅子をベッドの横に寄せたままの状態で、ベッドを下げるとどうなるかという、予後予測ができていなかった。

―対策―
・サービス時は、1つ1つの行動を意識的に行うようにする。
・常に予後予測を考えてサービスを提供する。

※今回は、物損がテーマでした!
サービスに慣れ、スムーズに動く事は、時間に制約のある訪問介護にとって大切な事です。しかしながら、”慣れ”によって、無意識に1つ1つの動作を行ってしまい、今回のように、周囲の物の環境の気付かなければならないところに気付くことができないという可能性もあります。
ブレーキが破損していたとのことで、移乗時や一人で車椅子にいるときに転落等の重大な事故に繋がってしまうことが考えられます。
サービス中は常に周りの環境に注意して、1つ1つの動作をすることが大切ですね☆

☆小休止☆

ここまでヒヤリハットの事例を紹介させていただきました~(^^)!
ヒヤリハット事例を紹介しましたが、基本的なことを意識してサービスを提供していれば、防ぐことができます。
「じゃあ基本的なことって何?」ということで、事例をお休みして、基本的な知識をご紹介していきます
「そんなの当り前だよ~(^_^;)」と思いながら再確認していただければと思います!
身だしなみについて…
①髪の毛は大丈夫ですか?
下を向いたとき前髪がかかるようであればピンで留めましょう。また、髪がぼさぼさだと不潔にみえます。髪が肩にかかるようであればまとめましょう。
②髭は伸びていませんか?
髭が伸びていると不潔に見えます。毎日剃りましょう。
③鼻毛は出ていませんか?
自分では意外と気づかないですが、ご利用者は近い距離でサービスを提供したり、下から見ることが多いです。常に鼻毛がでていないか確認しましょう。

④口臭は大丈夫ですか?
他人の口臭は気になります。歯磨き・マウスペット等で予防しましょう。
⑤指先は大丈夫ですか?
高齢者の皮膚は弱く傷つきやすいので、手のひらから指先を見て、爪が見えたら切りましょう。ネイルやつけ爪もNGです。
⑥貴金属は外していますか?
時計やブレスレットなどの貴金属はご利用者を傷つけやすいので、必ず外しましょう。
⑦清潔な状態でご利用者のご自宅へ訪問していますか?
手のひら・甲・指・爪の間・手首まできれいに洗いましょう。ご利用者宅へ訪問した時・サービス終了時、必ず手洗い・うがいをしましょう。
ポロシャツやトレーナー、ズボン(スカートはNG!)はきれいに洗ったものを着用しましょう。襟の袖が汚れていたり、伸びていてはだらしなく見えます。
⑧においは大丈夫ですか?
体を密着させるサービスが多いです。汗のにおいでご利用者も不快になるし、介護者も風邪をひいてしまいます。汗をかいたら着替えましょう。
また、ご利用者は匂いに敏感です。香水だけでなく、においつきのきついシャンプーなども控えましょう。

⑨エプロンは清潔ですか?
エプロンは薄い色で汚れていないものを身につけ、排泄介助や食事介助など、サービス内容ごとにエプロンを分けましょう。また、目に見えない菌がついている可能性もあるので、毎日洗濯しましょう。
トイレに入るときやサービスとサービスの移動の際は、菌がついてしまう可能性が高いので、面倒でも外すようにしましょう。
⑩足元は大丈夫ですか?
靴もご利用者に見られています。汚れていないものを履き、踵を踏まないようにしましょう。また、ご利用者の体調不良で、急な通院介助になる可能性もあります。動きやすい靴でかかとの無いものを履きましょう。
靴下は、靴を脱いだ時に汚れていたり、穴が開いているものを履いていると不潔に見えます。汚れたら取り替えるようにしましょう。
身だしなみについては以上です!
菌がついている衣服を身についてケアをすれば、免疫力が低下しているご利用者であれば、感染症にかかってしまうリスクがありますし、大きいズボンを履いていてケア中に躓いてしまうこともあるかもしればせん。
どこにヒヤリハットのリスクが隠れているかわからないので、まずは基本的な身だしなみを正してリスクをなくしていきましょう(^.^)!

ご利用者とのコミュニケーションについて…
①ご利用者の目線に合わせてご挨拶していますか?
ご利用者と目線を合わせ、ご挨拶をしましょう。ベッドの頭側からのぞくように声掛けしたり、上から見下ろすことはNGです。
②ご利用者の呼び方は大丈夫ですか?
基本的にはご利用者を名字でお呼びしましょう。
人生の先輩であるので、あだ名やおじいちゃん・おばあちゃんなどの呼び方はNGです。

③会話は大丈夫ですか?
ご利用者には笑顔で、ご利用者の耳の状態によって声のトーンを変え、ゆっくりはっきりとお話しするようにし、十分に傾聴するようにしましょう。(声は大きすぎるとうるさいし、小さすぎると聞こえません。高い声は聞き取りづらく、低音のほうが聞き取りやすいです。)
なれあいと信頼関係の構築とは違いますので、慣れいているご利用者でもため口はNGです。専門用語は伝わりにくいので使わないようにしましょう。
忙しい時、時間がない時は、きつい言い方になってしまうと思います。やさしく話すように心掛けましょう。


コミュニケーションについては以上です!
いかがでしたか?ヒヤリハットには直接関係ないかもしれませんが、ご利用者との信頼関係がヒヤリハットを防ぐのに大切だと思います。慣れてくるとついついフランクに話してしまいがちですが、ご利用者との信頼関係を構築するためにもここで紹介したコミュニケーションは大切です☆


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